伝記
ハンネス・オロフ・ゲスタ・アルヴェーンは、1908年5月30日に生まれ、1995年4月2日に没したスウェーデンの物理学者、地球物理学者である。ハネス・アルベーンとも表記される。当初は電力技術者としての教育を受け、のちに研究と教育に移って、プラズマ物理学と電気工学の分野に進んだ。磁気流体力学に関する業績により、1970年にノーベル物理学賞を受賞した。
スウェーデンのノーショーピングに生まれた。叔父には、スウェーデンを代表する国民楽派の作曲家ヒューゴ・アルヴェーンがいる。1934年に、ウプサラ大学から博士号を取得し、学位論文の題は「高周波電磁波の研究」であった。同年から母校で物理学を教え、ストックホルムのノーベル物理学研究所でも教えた。1940年にスウェーデン王立工科大学の電磁気理論と電気計測の教授となり、1945年には電子工学の講座を担当し、1963年にはその名がプラズマ物理学講座に改められた。1954年から1955年にはフルブライト奨学生として、メリーランド大学で過ごした。1967年に、スウェーデンを離れ、ソ連で過ごしたあと、アメリカに移り、カリフォルニア大学サンディエゴ校と南カリフォルニア大学の電気工学科で研究した。1991年に、サンディエゴ校の電気工学の教授と、王立工科大学のプラズマ物理学の教授を、ともに退いた。晩年はカリフォルニアとスウェーデンを行き来して暮らした。
磁場の中にある伝導性の流体では、通常の流体と異なり、縦波だけでなく横波も伝わりうることを明らかにした。この波は、アルヴェーン波と呼ばれ、プラズマ物理学の基盤の一つである磁気流体力学の基礎となった。1937年には、宇宙にプラズマが満ちているなら、電流を運んで、銀河の磁場を生み出しうると論じた。オーロラや、ヴァン・アレン帯、磁気嵐が地球磁場に与える影響、地球の磁気圏、天の川銀河のプラズマの動力学についての理論にも貢献した。オーロラに沿って流れる電流についての理論的な研究は、1967年に確認され、この電流は、ビルケランド電流と呼ばれる。1939年には、磁気嵐とオーロラの理論や、地球の磁気圏でのプラズマの動力学の理論を提案した。ビッグバン・モデルに基づく標準的な宇宙論に対しては、プラズマ宇宙論を提唱した。
1946年にビョルケン賞を、1967年に王立天文学会のゴールドメダルを受け、1970年のノーベル賞のあと、1971年にフランクリン・メダルとロモノーソフ金メダルを、1979年にディラック・メダルを、1988年にウィリアム・ボウイ・メダルを受けた。しかし、イギリスの科学者シドニー・チャップマンは、アルヴェーンを強く批判し、多くの物理学者が、その意見を非主流のものとみなした。ノーベル賞を得てからも、科学者たちからほとんど尊敬を得られなかったと評され、論文はしばしばあまり知られていない雑誌に載せざるをえなかった。審査の仕組みのため、自分の論文は米国の主要な雑誌では受理されにくいと、本人は回想している。
同じ年に亡くなった人物
- モラルジー・デーサーイー (1995年没)
- カルロス・ラペトラ (1995年没)
- ジョン・B・カルフーン (1995年没)
- ゲオルギ・ベレゴヴォイ (1995年没)
- ハンス・ウィンド (1995年没)
同じ地域に関係する人物
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- イェラルド・ドゥ・イェール (1943年没)
- フレドリク1世 (スウェーデン王) (1751年没)
- ケティル・カールソン・ヴァーサ (1465年没)
- グンナール・ビョルンストランド (1986年没)