伝記
オットー・ザンダーは、1941年6月30日にハノーファーに生まれたドイツの俳優である。少年時代から青年期にかけてはペイネやカッセルで育った。学業を終えると、予備役将校として海軍で兵役を務め、その後は演劇学、美術史、哲学を学んだ。1965年に俳優としてデビューし、同じ年に最初の映画に出たのち、俳優を本業にするためミュンヘンへ向かった。
1970年代からは西ベルリン(当時)を拠点に活動し、とりわけベルリンのシャウビューネ劇場と深く結びついた。この劇場ではペーター・シュタインの演出のもとで舞台に立った。その温かく力強い声から「ザ・ヴォイス」というあだ名がつき、テレビの記録番組の語り手を数多く務めたほか、1990年代には多くの「朗読本」も吹き込んだ。外国映画の吹き替えにも携わり、ダスティン・ホフマンやイアン・マッケランなどの声を担当している。1985年にはベルリン芸術アカデミーの会員に選ばれた。
映画では、ウォルフガング・ペーターゼンやヴィム・ヴェンダースといったドイツを代表する監督の作品に多数出演し、同国を代表する名優となった。1979年のフォルカー・シュレンドルフ監督作『ブリキの太鼓』ではマインを演じ、1981年にはペーターゼン監督の『U・ボート』に出ている。1986年のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督作『ローザ・ルクセンブルク』にも名を連ね、同年にはペーター・パツァック監督の『リヒャルトとコージマ』で作曲家リヒャルト・ヴァーグナーを演じた。代表的な役のひとつは、1987年のヴェンダース監督作『ベルリン・天使の詩』の天使カシエルである。のちにヴェンダースの『時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!』にも出演した。そのほかにも『コメディアン・ハーモニスツ』『マレーネ』などに出演し、2000年のテレビ作品『レ・ミゼラブル』ではミリエル司教を演じた。2006年の『パフューム』では語り手を務め、2008年の『クラバート』でも語りを担当している。1990年の第40回ベルリン国際映画祭では審査員も務めた。
『ベルリン・天使の詩』で老詩人ホメロスを演じた俳優クルト・ボウワ(ボイスとも表記される)は、ザンダーと、青年期から公私ともに親友だったブルーノ・ガンツの師匠にあたる。ザンダーはガンツと舞台で数多く共演し、二人でこの師匠のドキュメンタリー映画を監督してもいる。私生活では女優のモニカ・ハンセンと結婚し、ベンとメレット・ベッカーの継父となった。休暇にはたびたび来日し、京都の禅寺で座禅を組むのを好んだという。長年、食道癌と闘っていたとされ、2013年9月12日にベルリンで亡くなった。72歳であった。
同じ年に亡くなった人物
- マーシャ・ウォレス (2013年没)
- エヴァルト=ハインリヒ・フォン・クライスト=シュメンツィン (2013年没)
- ヴァルター・イェンス (2013年没)
- ヴィンセンツォ・セラミ (2013年没)
- プラン (俳優) (2013年没)
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