HISTORICAL PERSON · 2014年没

ジャック・ル・ゴフ

フランスの中世史家。アナール学派第三世代のリーダーで、学派の刊行誌の編集責任者を務め、2004年にハイネケン賞を受賞した。

生涯
2014年没
死亡地
フランス共和国(パリ / 10区)
出生地
フランス共和国(トゥーロン)
出典
世界地図
フランス共和国(パリ)

伝記

ジャック・ル・ゴフは1924年1月1日、フランス南東部ヴァール県のトゥーロンに生まれた中世史家である。20世紀後半から21世紀にかけて、アナール学派を代表する歴史家の一人だった。パリの高等師範学校に入学し、プラハのカレル大学、イギリスのオックスフォード大学リンカン・カレッジ、ローマのフランス学院に留学した。1950年に高等教育教授資格試験に合格し、このとき審査委員を務めたのがフェルナン・ブローデルとモリス・ロンバールで、これがアナール派の学者たちとの最初の出会いとなった。

1954年にリール大学文学部の助手となり、1959年には、アナール派が中心となって組織されていた国立高等研究院の第六部門に入った。以後、リュシアン・フェーヴル、マルク・ブロック、ブローデルらを継いで、アナール派第三世代のリーダーとして活躍した。1969年にはブローデルの後を受け、エマニュエル・ル・ロワ・ラデュリ、マルク・フェローとともに雑誌『アナール』の編集責任者となり、1972年にはブローデルの後任として第六部門の部長に就いた。1975年には、この第六部門を国立社会科学高等研究院として独立させることに指導的な役割を果たしている。1992年に退官した後も、精力的に執筆を続けた。

研究の中心は中世史にあり、著作は多岐にわたる。1957年には中世の知識人と、商人や銀行家を扱った本を出した。1964年の『中世西欧文明』、ピエール・ジャンナンらとの共著である1966年から翌年にかけての『フランス文化史』は、いずれも大著として日本語に訳されている。1974年にはピエール・ノラとともに三巻の論集を監修し、1977年の論集『もうひとつの中世のために 西洋における時間、労働、そして文化』では、時間や労働、文化といった主題から中世を捉え直した。1978年にはジャック・ルヴェルと『新しい歴史』も著している。

1981年には『煉獄の誕生』を著し、1986年には『中世の高利貸 金も命も』を出している。1988年には『歴史と記憶』を発表し、ルネ・レモンとともに四巻の『宗教のフランス史』を監修した。1996年には評伝『聖王ルイ』を著し、1998年には『アッシジの聖フランチェスコ』も書いた。ジャン=クロード・シュミットとともに中世西欧の用語事典を編み、1994年には編者として『中世の人間』をまとめた。監修者として、ウルリヒ・イム・ホーフの『啓蒙のヨーロッパ』やマッシモ・モンタナーリの『ヨーロッパの食文化』にも名を連ねている。2003年の『ヨーロッパは中世に誕生したのか?』や、『中世の身体』『中世とは何か』など、一般の読者に向けた対話の書物も多く、2007年には『子どもたちに語るヨーロッパ史』も出した。1996年には、聞き手を得た対話の形で語った『ル・ゴフ自伝 歴史家の生活』も出している。

日本との関係も深く、1977年に来日して講演と講義を行ったことが、アナール学派の著作の邦訳紹介が本格化するきっかけとなった。2004年にハイネケン賞、2007年にダン・デイヴィッド賞を受けている。2014年4月1日に90歳で亡くなった。

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