伝記
サー・イアン・ホルム・カスバートは、1931年9月12日に生まれ、2020年6月19日に没したイギリスの俳優である。姓の発音は「ホーム」に近い。イングランド・エセックス州のグッドメヤーズで、医者の父と看護婦の母の家庭に生まれたとされ、両親はともにスコットランドの出身であった。出生地についてはイルフォードの生まれともいわれる。ロンドンで育ち、7歳のときに『レ・ミゼラブル』を見て演劇に興味を持ったという。
王立演劇学校で学び、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーには14年間所属した。キャリアは1954年にシェイクスピア記念劇場の舞台で始まり、1966年にテレビシリーズ『ボディ・スナッチャーズ』でカメラの前に初めて立ち、1968年にジョン・フランケンハイマー監督の映画で映画に進んだ。1967年にはハロルド・ピンターの『帰郷』でトニー賞を受けている。映画やテレビへの出演は100本以上にのぼり、舞台で確かな実績を持つ俳優であった。
1979年、リドリー・スコット監督の『エイリアン』でアンドロイドのアッシュを演じ、世界的に知られるようになった。1981年には『炎のランナー』で、1924年のオリンピックを目指す2人の長距離走者のコーチ、サム・マサビーニを演じた。この役でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、受賞は逃したものの、カンヌ国際映画祭と英国アカデミー賞では助演男優賞を受賞した。テリー・ギリアム監督の『バンデットQ』や『未来世紀ブラジル』、『グレイストーク ターザンの伝説』(1984年)にも出演し、ケネス・ブラナー監督の作品やデヴィッド・クローネンバーグ、スティーヴン・ソダーバーグらの作品でも重要な役を演じた。1986年には、ボストン映画批評家協会賞で助演男優賞を受けた。対象は『ウェザビー』『未来世紀ブラジル』『ドリームチャイルド』などの出演作で、『ドリームチャイルド』では同年のファンタスポルト映画祭の助演男優賞も受けている。また、1986年にはこれらの作品で全米映画批評家協会賞の助演男優賞の候補にも挙がった。
同じ1981年、BBCが『指輪物語』をラジオドラマ化した作品でフロド・バギンズを演じた。この縁で、ピーター・ジャクソン監督の映画『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』では、フロドの養父ビルボ・バギンズを演じている。2001年から2003年の三部作で演じたビルボは広く知られ、2004年には『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』で全米映画俳優組合賞のキャスト賞を受けた。『フィフス・エレメント』(1997年)では落ち着きのない司祭を、『フロム・ヘル』(2002年)ではウィリアム・ガル卿を、『アビエイター』(2005年)では気象学者を演じるなど、大作でしばしば博識な人物を演じた。2012年には『ホビット』で年老いたビルボを再び演じ、その後に引退したとされる。
1989年に大英帝国勲章を受け、1998年にサーの称号を授与された。私生活では4度の結婚を経て、息子2人と娘3人がいた。2020年6月19日朝、ロンドンの病院で死去した。エージェントによると、死因はパーキンソン病に関連するものであった。2024年の映画『エイリアン:ロムルス』では、ホルムの容姿と声をデジタル技術で再現したアッシュが登場し、監督らは未亡人ソフィー・ド・ステンペルの許可を得たと述べている。
同じ年に亡くなった人物
- トム・シーバー (2020年没)
- ルチア・ボゼー (2020年没)
- イリナ・スラヴィナ (2020年没)
- クシシュトフ・ペンデレツキ (2020年没)
- 川崎燎 (2020年没)
同じ地域に関係する人物
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- フィリップ・ミラー (園芸家) (1771年没)
- スザンナ・ヨーク (2011年没)
- キャロル・リード (1976年没)
- スティーヴ・クラーク (1991年没)