HISTORICAL PERSON · 1936年没

ロバート・E・ハワード

アメリカのパルプ・フィクション作家。ヒロイック・ファンタジーの生みの親で、「英雄コナン」シリーズが有名。ラヴクラフトとも文通した。

生涯
1936年没
死亡地
アメリカ合衆国(テキサス州 / クロス・プレインズ)
出生地
アメリカ合衆国(Peaster)
出典
世界地図
アメリカ合衆国(テキサス州)

伝記

ロバート・アーヴィン・ハワードは、1906年1月22日に生まれ、1936年6月11日に没したアメリカ合衆国のパルプ・フィクション作家である。怪奇幻想小説とアクションヒーローものを融合したヒロイック・ファンタジーの生みの親とされ、「英雄コナン」シリーズで知られる。

テキサス州ピースターで、各地を巡る田舎医者アイザック・ハワードと妻ヘスター・ジェーン・アーヴィンの一人息子として生まれた。幼い頃は、テキサスの牛の町や油田ブームの町を転々として過ごした。両親の仲は次第にこじれ、家計にも問題があった。母ヘスターは、病人の親族の世話をするうちに結核にかかっていたが、息子に詩と文学への深い愛を植えつけ、書くことを支え続けた。本好きで知的な子供だったが、学校は窮屈に感じ、権威に反発するようになった。医者の息子として、事故や暴力の結果を目にする機会が多く、銃撃戦やリンチ、血の抗争の話を聞いて育った。ボクシングは熱中の対象となり、10代の後半にはボディビルを始めて、逞しい青年になった。1919年、13歳のときに一家は中部テキサスの小さな町クロスプレインズに移り、以後ハワードの生涯のほとんどをここで過ごした。1920年に町で石油が出て油田ブームとなり、人口が1,500人から1万人へ急増すると、ハワードはこのブームと流れ込んだ人々を嫌った。

9歳の時から冒険小説作家になることを夢見て、ヴァイキングやアラブ人、戦いと流血をめぐる歴史小説を書いていた。ジャック・ロンドンやキプリング、ブルフィンチの神話集などを読んで影響を受けた。友人たちからは、長い詩を一、二度読んだだけで暗記できると驚かれた。1924年、怪奇小説専門のパルプ・マガジン『ウィアード・テイルズ』に作品が売れ、翌1925年にデビューした。以後、さまざまなパルプ・マガジンに作品を発表した。1932年に「英雄コナン」シリーズの第1作「不死鳥の剣」が同誌に掲載された。約11年間の作家活動で執筆した作品は300を超えるが、半数以上は未発表で、生前に単行本は一冊も刊行されなかった。コナン作品は1934年に単行本化される寸前までいったものの、頓挫した。作風は、ヒロイック・ファンタジー、幻想怪奇小説から、冒険小説、ハードボイルド、歴史冒険小説、西部劇、スラップスティック小説まで、非常に広範囲に及んだ。当時のパルプ誌は経営が不安定で原稿料の支払いも安定しなかったため、雑誌やジャンルを選ばずに売り込まねばならなかったという事情があった。年収は50ドルから2,000ドル以上まで上昇し、当時のクロスプレインズでは町で随一の高収入だった。ハワード・フィリップス・ラヴクラフトとは文通相手で、『黒の碑』などのクトゥルフ神話作品も書いた。生涯で交際した唯一の女性は、高校教師で作家志望のノーヴェリン・プライスで、のちに回想録を発表した。

1936年6月、結核を患っていた母が昏睡状態に陥り、目覚めることはないと知ると、ハワードはガレージに停めた車の中で拳銃で自ら命を絶った。30歳だった。母も翌日に亡くなった。死後に作品が集められ、広く読まれるようになり、1960年代後半にアメリカで再評価されると、日本には1969年に紹介された。

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