伝記
オイノマオスは、第三次奴隷戦争(紀元前73年から前71年)で反乱奴隷の指導者となった剣闘士である。名はギリシア語に由来し、ブドウ酒を連想させるとされる。生年は明らかでなく、没年は紀元前70年とされることもあるが、実際には戦争の初期、紀元前73年から前72年の冬ごろに戦死したと考えられている。エノマオス、エノマウスなどとも表記される。
カプアのレントゥルス・バティアトゥスの剣闘士養成所にいた人物で、古代の著述家はみなガリア人としている。ただし名がギリシア語風であることから、ガラティア人だった可能性もあるといわれる。養成所を脱出したのは、トラキア人スパルタクス、ガリア人の仲間クリクススやカストゥスらとともにであり、彼らと並んで反乱奴隷の指導者の一人となった。
オイノマオスが関わった最初期の大きな成功は、法務官ガイウス・クラウディウス・グラベルの軍を敗走させたことである。グラベルはウェスウィウス山の近くで奴隷軍を包囲しようとしたが、退けられた。その後、法務官プブリウス・ウァリニウスが鎮圧のため軍を率いて到着すると、スパルタクスはカンパニアの平野を離れ、アペニン山脈の背後にあたるルカニアへ退こうとした。しかし配下の兵は周辺の町や村を略奪し、スパルタクスは統制できずにいたという。
この状況で、オイノマオスは軍の一部を率いてスパルタクスと別れ、ウァリニウスにただちに攻撃を仕掛けた。だが彼の軍は敗れ、オイノマオスは戦場で倒れた。これは奴隷軍がイタリア南部の都市や町を略奪していた紀元前73年から前72年の冬のことだったとされる。クリクススよりも先に命を落としたとも伝えられ、反乱の終結よりずっと前に世を去った指導者であり、全体の指揮者でもなかった。
後世の創作にも登場する。ジェフ・ウェインの『スパルタクス』のミュージカル版に登場し、アメリカのテレビシリーズ『スパルタカス』ではピーター・メンサーが演じ、ヌミディア人、あるいはアフリカ人として再解釈された。ガリア人の設定で書かれる史実とは異なる描写である。また、マックス・ガロの歴史小説ではゲルマン人とされている。
同じ年に亡くなった人物
- ミトリダテス1世 (コンマゲネ王) (紀元前70年没)
- Ganicus (紀元前70)
- シナトルケス (紀元前70年没)
- マルクス・アントニウス・クレティクス (紀元前70年代没)
- ガイウス・アウレリウス・コッタ (紀元前75年の執政官) (紀元前70年代没)
同じ地域に関係する人物
- フリードリヒ2世 (神聖ローマ皇帝) (1250年没)
- Rogerius of Apulia (1266年没)
- カルロ1世 (シチリア王) (1285年没)
- グナエウス・フルウィウス・ケントゥマルス・マクシムス (紀元前210年没)
- リッカルド・カラペッレーゼ (1995年没)